本文へスキップ

株式会社サンコー緑化は「みどりのいきもの」を取り扱う北海道の造園業者です。

TEL. 011-875-1608

〒003-0828 札幌市白石区菊水元町8条1丁目8番21号

資料

イチョウの移植 

樹種
イチョウ イチョウ科 イチョウ属 Ginkogo biloba Linn.
データ
樹高10m、幹周0.98m、葉張6m、根元周1.24m、樹齢60年(推定)
発注者
穂別町
植栽地
北海道鵡川郡穂別町
移植時期
平成12年6月〜平成14年6月

1年目

 

根回し

平成12年6月 施工対象のイチョウは前回のメタセコイア(H10年根回しからH11年移植)の近くに位置しており、根の1/3はすぐ 脇の石積擁壁に接している。生育土壌は多少粘土を含む普通土の盛土地盤で排水性は普通程度。地上部は前年の葉芽が八割程度開葉して おり、さらに成長・充実しようとするじきである。移植時の鉢径は2m、鉢高は1m程度と想定し、人力により根を探りながら掘り回しを おこなう。その結果支持根となる根は南側に集中し、北側には2本程度であった。中小の根も太い根も近辺に多く育成しており、水平分布上の偏りは多分に地温が影響しているのと思われた。

樹木根系図説

苅住 f

根回し完了後は支持根を根鉢際で環状に剥皮し殺菌剤を塗布、発根促進の為アミノアップ200倍液を根鉢全体に散布した後、混合土 (1mに対して土壌改良材100Kgを混入)で埋め戻した。潅水(アミノアップ300倍液)も同時に実施した。
倒伏防止用の支柱を取付けて作業完了。後は天候を見ながら潅水し良好な発根を期待する。

2年目

 
平成14年本移植を実施。2年前の「根回し」が功を奏して、とても良好な発根状態である。(太い根の多かった南側の発根が顕著)。 細根の発根に合わせて樹勢も良くなり、根回し完了時より葉量も2〜3割多くなったように思われる。ひとつ気がかりなのは、根回しした にもかかわらず、石積擁壁側の発根状態が思わしくなかった。もともと根は少なかったが発根が盛んになる夏場に擁壁の寒暖差と水分の不足 による影響をうけたのであろうか?

堀取・根巻作業

掘取に先立ち、樹形を整えるために剪定を施し、葉の水分蒸発を防ぐため蒸散抑制剤を散布した。掘取り1日目は木が倒れない程度まで、 根の外周をまっすぐ掘下げ、根鉢の乾燥防止のため根全体に散水し、シートで被覆をして終了。2日目は運搬・植付も兼ねての作業である。 クレーンをセッティングし、小フックで樹木の幹をワイヤーが張る程度まで吊上げ、転倒防止策をとってから掘取りを開始する。下部には 7〜8本の直根があり、全て切断後根巻きを開始した。

運搬作業

根巻き完了後、バンドを根にかけて吊上げを開始した。大フックを根側に、小フックを幹にかけ、フック調整で木を寝かせながらトレーラー に積み込みました。根をチェーンブロックでしっかり固定してから移動開始。垂れ下がっている電線を持ち上げ、枝を交わしながら、目的地に 無事到着。途中、何事かと窓から顔をのぞかせる人、玄関から飛び出してくる人達の声援(?)を受けながら…。

植込作業

植穴底部は粘性土で水はけが悪く根腐れが懸念されたので、滞水の改善と土性の改良のために、ホワイトロームを15cm程度敷均した。 埋戻し土は畑土に土壌改良材を混合した物を使用し、発根促進剤(メネデール)を希釈した水をたっぷり潅水して植付終了。

樹勢調査

別工事で8月上旬まで穂別町に通っていたので、樹木の状態確認は容易であった。7月は降水量が多かったので順調に活着は進み、8月 の時点では樹冠の小枝2〜3本に枯れが見られる程度で順調に成長しているようだ。

 その後

 現在は新芽が色づきはじめた状態で、今後色合いがはっきりしてくる。
平成14年移植後
平成15年7月現在

バナースペース




株式会社サンコー緑化

〒003-0828
札幌市白石区菊水元町8条1丁目8番21号

TEL 011-875-1608
FAX 011-875-1751